そして物語は続く

記憶ってのは、完全じゃないから良いことと悪いことがあるな。

早く忘れたいこともある。ずっと忘れたくないこともある。でも両方、それなりに覚えていて、それなりに忘れていく。

厳重に鍵をかけても、淡雪のように消えてしまうもの。開け放しておいても、頑なに居座り続けるもの。

記憶・・・自分が此処に在ることの証明は、この曖昧模糊とした記憶だけ。

そいつを引き連れて、物語は続いていく。