上がったり、下がったり、忙しいのです。
大気圏に突入する程、舞い上がったり。
マントルの熱で焼け死ぬ程、減り込んだり。
それはまるで、振り子のように。
プラスと、マイナスを、行ったり来たり。
どこまでも、行ける気がしたり。
どこへも、行けない気がしたり。
壁が出来たり、それが扉に変わったり。
扉がいつの間にか閉まって、鍵が付いてしまったり。
・・・。
本当は今、10年ぶりくらいに調子がいい筈。
月さんという、素晴らしい女の子と仲良くなれたり。
誰一人いなくなった仲間を、もう一度作ろうとしたり。
仕事では、未だに大喧嘩もするけど。
お互い許したり、許されたり出来るようになって。
私を取り巻く世界が、変わることは無い――――
変わるのは、変われるのは、変わっていけるのは、自分という存在だけなんだ。
「お前が嫌いだから、お前が変われよ。自分は変わる気は無いけど」
口には出さないけど、内心ではいつもそう思ってた。
周囲の人間が変わればいい、そうすれば自分は救われるのにって。
それは、祈るだけで世界が平和になると思い込むくらい、愚かな考え方だった。
私が今すぐにでも、始めなければならないことは。
許すこと、認めること、話を聞くこと、優しくなること。
どれも、難しいけど。
私は月さんが欲しいから、本気で頑張る。