複製(コピー)

たまに、思うんだ。

朝目覚めた時、世界中に自分しか居なくなってたらどうしようって。

あるいは、世界中の人間に自分という存在を忘れられたらどうしようって。

私が私であると証明できるのは、この記憶という曖昧の集積だけ。

脳の全てをダウンロードして、他人の脳と差し替えることが出来れば、複製(コピー)なんて簡単に作れる。

今度はそいつが、“私”になる。

自己同一性(アイデンティティ)なんて、その程度のもの。

山ほど居るクローンの中に放り込まれれば、もうオリジナルが誰かなんて解らない。

私のオリジナルは既に死んでいて、自分はその複製(コピー)だとしても、実際にそうだと自己認識できる訳が無い。

生まれた時から私は私であったと、信じて疑わないだろう。

思考回路は、迷宮。

脱出不可能な、迷い道。

ここに書いてる事なんて、氷山の一角・・・を少し砕いて、かき氷にした程度。

君はこんなこと、1分だって考えたことは無いよね。

もっと普通に生まれれば、楽に生きて来られた。

君は、どんな人が好き?

君が望むような人間になりたい。