一匹狼

どうして私はいつも、戦うことを選んでしまうんだろう。

許すことより、認めることより、寛容になることより・・・。

私という人間の根本は、負けず嫌いでプライドが異常に高い。

無様に敗北するくらいなら、死んだ方がマシだと思っている。

人間は、敵?

人間は、味方?

面倒だな。

生きるのって、面倒だな。

無人島に1人きりで、海を眺めながら膝を抱えていたら、何を思うだろう。

淋しくて淋しくて、泣くのか?

本当の自由を手にしたと、歓ぶのか?

無人島に、どうして剣と楯を持って来た。

再び人の群れに戻る時は、ここに置いていくか。

人を傷つける剣、ぶつかり合う剣。

自分を守る盾、人を避ける盾。

以前にこんな話をしたら、剣や盾なんて持ってないしって言われたな。

いやまぁ、例え話なんだけどね。

確かに自分には、両手しかない。

人と手を繋ぐか、人を殴るか。

この両手で何をしたい?

何でも出来る体で何をしたい?

本当はいつだって、自分はこんなにも自由――――

不自由だという思い込みが、眼に見えない鎖になっているだけ。