この宇宙に存在する全ての物は、唯一無二にして再生不可能だというのに。
それを自分が生きる為に殺して、食って、生き長らえる。
生きるってことは、綺麗事じゃないんだ。
現代社会は、醜い現実を直視させずに、何でもかんでも綺麗に見せたがる。
現実が、血の通わない無機質な楽園のように成っている。
本当のことはいつだって、こんなにも辛い辛い辛い。
それでも、腹が空けば鳴るでなぁ。
本気で生き続けたいと思う奴だけ、飯を食え。
自分勝手に死にたいなら、餓死で死ね。
水も飲むな。
・・・。
グーの音が柱時計のように、時の経過を打ち鳴らす。
・・・。
私は結局――君の瞳の中に映る、自分自身に酔っているだけのような気もする。
今日、確かめに行こう。
心に触れるほど、距離を縮めて。