表現

結局、お前は何が一番好きなんだ?と問われたなら。

「表現すること」って答えるんだろうな。

非常に抽象的で、曖昧なことを言っていると思う。

子供の頃は、ずっとマンガを描いていた。

本気でマンガで食って生きたかった。

でも挫折――根本的に、画力が無いのだ。救いようが無い程に。

絵ではダメと判断。文章を書くことだけが残り、やがて小説になっていく。

10代後半で音楽に目覚めたが、楽譜はずっと読みこなせず音才も無いと知る。

演奏も曲も出来ず、歌詞だけが残った。

幼い頃よりずっと継続しているのは小説だけだが、物語をゼロベースから生み出す才能が無いと年々思い知る。

物語は作れずとも、やはり文章を書くことだけは残った。

最終的に辿り着いたのは、ブログ。

何の制約もルールも無い中での、独り語り。

巨大なホールの舞台に立ち、マイク一本だけで喋るようなものだ。

ホールは途方も無い大きさだが、客は数える程。

最初から最後まで見てくれる人も居れば、パッと来てパッと帰る人も居るだろう。

別に、解ってくれなくてもいい。

書き手と読み手の間には、何の利害関係も無い。

私のブログは、いつだって完全なる一方通行だ。

mixiで相互通行の楽しさを知ったが、やがて窮屈さを知る。

小さな頃から、何かを伝えようとしていた。

特定の誰か。或いは、不特定多数の誰かに向かって。

今までも、そしてこれらも、私は何らかの手段で想いを発露するだろう。

それら全てを、私は表現と呼ぶ。