苦味だけが残る

伝えようとする想いはいつも、言葉にならず溜息となって消えていく。

感情はすぐに、移ろい流れる。

今想う気持ちは、いつかの想いとはもう違う。

冷めてしまったコーヒーは、不味くて飲めやしない。

最高の時の気持ちを、そのまま閉じ込めておけたら――――

いつでも、好きな時に取り出せて使えたら――――

無理を言っても、仕方が無いけど。

いつだって中途半端な状態のまま、挑まなきゃ成らない事ばかりだ。

人生に、予行練習は無い。

全てが、ぶっつけ本番だ。

今この時も、休憩中じゃない。

幕が下りるのは、死んだ時だけ。