信じられない。僕の疑惑は、僕が死ぬまで持ちつづける

太宰治の『新ハムレット』を読了。

とにかく、どうしようも無く成ったら。

太宰を読むしかない。

読み続けるしかない。

聖書や仏典など、いつでも焼き捨てろ。

私は墓場まで、太宰の文学を抱えていく。

私が太宰の文章で一番好きなのが在るんだが、どの作品だったか・・・。

随分と前に読んだからな、短編も山のように在るし。

この新ハムレットの短編集にも、似た感じのが在ったんだけど、解んなくなった。

付箋を付けておけば良かったな、そんな気の利いた物は持って無いけど。

要約すると、それはこんな感じ。

・・・。

暗い夜の海を、一人の男が彷徨っていた。

灯台の光を見つけて、それに向かって必死に泳ぐ。

ようやく辿り着いて、助けを求めようとするが。

灯台守の一家は、団欒の一時を楽しく過ごして居る。

「ああ、自分は駄目だ」と思い。

諦めて、その場を離れる。

・・・。

正確じゃないけど、こんな感じのニュアンスの文章なんだ。

解るか?伝わるか?この感覚が。

団欒する一家を前に、「ああ、自分は駄目だ」と、痛感する気持ちが。

あれだけ文才が在って、頭脳明晰で、男前で、女にモテても・・・心に巣食った悲しみや苦しみは、ずっと死ぬまで抱えて居たのかも知れんね。

この前、某友人が「太宰なんて読んで歓んでいる奴は、嫌いだ」って言ってたけど。

お前ごときに、太宰の繊細な感性が解って堪るか。

私のブログも、お前は読まなくて良いって言っといたが。

私はこの世界でほんの一握りの、深い絶望を抱えながらも、本気で生き抜こうとしている人にだけ読んで貰えれば、それで良い。

嫌いなら嫌いで、うぜぇと吐き捨てろ。

初めから、お前の為に書いてる訳じゃない。