因果律

私は、あなたの才能が妬ましかった。

全ての事柄に於いて私は、あなたに劣っている気がした。

だから、焦った。

いつも神経が、ピリピリと張り詰めた。

後れを取りたくない、ただその一心で在った。

勝ち負けでしか人の優劣を定義できない私に、そもそも是も理も無かったのだ。

初めからこう成る事は、必定の道理。

謙虚に成るんだ、謙虚に。

それしか、私が生きていく道は無いのだから。