混濁と純化

狂っているという自覚が在るなら、実は全然正常。

衝動や狂気は、無理にでも捻じ伏せる。

この抑え込んでいるものが自制できなくなってくると、重症。

抑え込んでいるという自覚も、抑えが利かず暴走し出したという自覚も無くなったら、こりゃもう早い内に入院した方がいい。

誰もが人知れず、何かを抱え込んでいるんですなぁ。

・・・。

私がドラのアニメで癒されている時、「あいつの頭は幼く、悩みが無く、平和でいいな」と思う奴も居るだろう。

私にもミスチルの歌詞のように、名作と呼ばれる作品を観たり聞いたり読みあさったりして、大人を気取って少し無理して暮らしてた時も在ったよ。

外国の文学なんて好きじゃないのに、ドストエフスキーとかシェイクスピアを読んだり、黒澤明の映画を観たり、クラシックを聴いてみたり。

でも結局はね、自分の人生経験に勝る学びなんてものは、無いんです。

絶望も悲しみも、自分の人生だけで全て間に合っている。

フィクションに泣いたり怒ったりしている時間なんて、要らない。

フィクションは、面白くて笑えるエンタメだけで、私は十分事足りる。

年を取れば取る程、余分で不要なものが山積みに成っていく。

あれもこれも、要らない、要らない、要らない・・・。

邪魔な感情や想いは、どんどん放り投げる。

混濁した私を、純化させていく。

そうやって少しずつ、幼い頃の感覚に戻したいんだ。

そっくりそのまま、子供に成る訳じゃない、成れる訳が無い。

酸いも甘いも噛み分けて来た、大人の経験を踏まえた上での。

濁りない、素直な純粋さを手にしたい。