取扱説明書

自分のこと、解っているようで解ってないな。

一番長く一緒にいるから、誰よりも理解できるかっていうと、そうでもない。

解らないことは、山程ある。

意味不明なタイミングで、喜怒哀楽のスイッチが入ったり。

「あれ?何で今、こういう感情になった?」ってのは、よくある話で。

取扱説明書が、あればいいのにね。

自分に関する、ありとあらゆる説明と解説が記載されている。

広辞苑くらいのページ数で済めばいいけど(笑)

不自由さを、敢えて選択している・・・のか。

矛盾するような話だが。

何もかも上手くいかなくて、イライラする。

何もかも上手くいき過ぎて、イライラする。

上手くいかなくて苛立つのは当然としても、なぜ上手くいき過ぎても苛立つのか。

それは物凄く簡単なゲームが、退屈で面白みが無いのと同じだ。

名作と呼ばれるようなゲームは、バランスが秀逸であるということ。

神経をややすり減らしながら、ギリギリのところでクリア出来る。

「いよっしゃぁっ!!」思わず叫んで、ガッツポーズ。

簡単で中身の薄いものは、往々にして駄作。

まぁ、それを人生に置き換えてみると。

明らかに無理ゲー過ぎて、戦意喪失することばかりだが。

でもこれ、それなりに楽しめるな・・・と僅かでも思えれば。

もう、こっちのもんだ。

広辞苑のような取説は、もう要らない。

本当に楽しむためには、不自由さこそが最高のスパイスなのだから。