走馬灯

深夜に、ぼーっとiPodで音楽を聴いていると。

色々な場面が、走馬灯のように浮かんで来る。

「あ〜、そういやこんなこともあったねぇ」って、感傷に浸るパターン。

「もうずっと忘れてたのに、急に思い出した!」って、忘却記憶が召喚パターン。

そりゃもうほんと、雑多で脈絡がない。

特定の記憶に付帯した感情も、一緒に蘇る。

怒ったり、泣いたり、悔しんだり、歓んだり・・・。

壁をぶん殴りたくなるような、激しい感情に見舞われることもある。

でもまぁ、過去なんてあってないようなもんだわ。

誰かと昔話をすると、互いの記憶違いで話が噛み合わない時がある。

「ねぇ本当に、そんなことあったの?」ってさ。

人間の記憶なんて、物凄く曖昧なんだよ。

自分に都合よく、無意識の内に記憶を書き換えてたり。

いつだって人は、自分が信じたいものを信じてる。

あの時の真実がどうとか、本当はどうだってよくて。

何か色んなことあったけど、別にもう関係ないやって。

今を生き抜くために必要な情報だけ、脳裏に留め置く。

余分なものは、要りません。

美化した記憶だけ、写真立てに飾っておけばいいよ。

現在だけで手一杯なのに、過去のことで泣いてはいられないでしょ。