許せたり、許せなかったり

あれやこれやと吠えてみても、現実が一足飛びに変わる訳じゃない。

まぁ、いいやもう。

“ずっと許せなかったことも、ぬるいビールみたいに、気が抜けてしまった”

流れて来た曲の歌詞は、私に囁く。

何もかも、忘れてしまえる訳じゃないけど。

今さら烈火の如く怒り狂うことに、どれだけの意味があるだろう。

どこかの誰かが言い放った、無神経な言葉の数々。

まともじゃない奴に、まともになってねと諭しても、無駄なんでしょう。

自分と他人は違う。

全く同じ人間は、ただの1人もいない。

そんな完璧な複製は、クローンだけ。

どれだけ言葉を紡いでも、伝わらないものは伝わらない。

沢山の仲間に囲まれていても、人が孤独である事実は揺らがない。

とはいえ、死ぬ訳にもいかんだろう。

今の私には、気の抜けたビールのような日々がちょうどいい。