憎まれっ子世に憚る。
つまりが正義や道徳なんてものは、ただの言葉に過ぎず。
悪党だけがしぶとく生き延びて、善を語るものは早死にする。
善や義を盲信して生きようとすると、気が狂ってしまう。私のように。
別に好き好んで、悪党になれやって言ってる訳じゃない。
“こう生きねば成らない”って信念から、離れてみたらどうだって提案。
敵は敵だと思うから敵に成るんだって、まるで禅問答のようだが。
心底から容認できずとも、それが存在することを許可できれば、後はもう知らん顔で放っておくだけだ。
怒りを感じることは無い。苦しみを感じることは無い。
負の感情を抱え続けることは、精神と肉体を磨耗させるデメリットしか生まない。
世界のどこかにその人間が、その思想が今なお存在し続ける・・・ただそれだけ。
悪の息の根を止めようとして、知らず知らず自分も同じ色に染まっていないか?
怪物と対峙する時は、用心することだ。
“深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている”
そう言い残したニーチェの格言を、十分に噛み締めておく必要があるだろう。