過去から積み上げて来たものが、この人生であるというのに。
それをまた1つ1つ手放して、ゼロに戻していくのが本質への回帰なのか。
積み上げというのは、要するにアイデンティティのこと。
自分が自分で在り続ける為の、集積情報。
別に、何に拘ったっていいと思う訳。
でもそれだと、対立する者と一々争わないといけないし、面倒が増えるよねって。
厄介事を抱えるぐらいなら、ブレてる奴のレッテルを貼られる方がマシ。
折れない信念の旗に陶酔してた時期もあるけど、もういいや。
結局のところ正しさなんてもんは、その人の頭ん中の話ですから。
右か左か、白か黒か・・・どっちでもいい。
本当にどっちでもいいと思えたら、そんなに思い悩まない。
他人との意見衝突も、目に見えて激減するだろう。
争いの始まりはいつでも、「自分の方が正しい」という思いに端を発する。
後は利権を獲得して自分が優位に立ちたいっていう、利己心とか。
どっちでもいいなら、もうそういうもんは何の関係もねぇってこってす。
とはいえ何でも許して、非暴力・平和主義な聖人君子になる訳ないけど。
もう面倒になったら、後生大事に握り締めてたもんを放り投げちまえ。
本当はそんなもん、どうだっていいのさ。
自分が自分でなくなってしまう危機を感じても、初めから限りある命。
未来永劫に、自分は自分で居られる訳じゃないしね。
アイデンティティなんて、単なるファッションなんだからさ。
お気に入りのお洋服が着れなくなった所で、死ぬ訳じゃないやね。