仮に酷く劣っているように見える人間がいたとしても、だからといって自分が優れた人間であるって訳じゃないんだよな。
“自分より劣ってるマヌケをあぶりだし、ホッと胸撫で下ろしてる”そんな歌のフレーズを思い出すね。
全く、世の中にどれだけ人がいると思っているんだ。一人一人と比べようとするなら、それだけで人生が終わってしまう。
そもそも誰かと自分は別個に考えるべきであって、誰かが下がるから自分が上がるとか、自分が上がるから誰かが下がるとか、そういう相対的なものではない。
舞台で演じられる芝居のように、人はただ自分に与えられた役どころを懸命に遂行しようとしているだけであり、そこに優劣などあろうはずもない。
全ては必要だから、そういう配置になっている。ただ、それだけのことだ。
富める者も、病める者も、幕が下りるまでの役に過ぎない。