希望の化身

ほんとうの意味での希望というものは、絶望のどん底にいる人間にしか感じられないのではないだろうか。

深い深い井戸の底に、一筋の光が差し込む。希望とはそういった類いのものではないだろうか。

恵まれた普通の生活をしている者にとって、光など当然のものすぎて、それが希望であるなどと思いもしないのではないだろうか。

一筋の光は暗き世界に生きる者にとって永遠などではなく、あくまで一瞬にすぎない。

けれどもその光を胸に生きるのだ。

その光の名は希望なのだから。