ためらわず溜息

俵万智の話。

かぜのてのひら。

ため息は言葉にならず沈黙をおぎなうことのできない電話。

俺は今まで人と話をしている時に溜息をつかれたことはないなぁ。

恋人との電話というものをしたことがないので。

沈黙を破るために無理に話をしようとしたこともないし。

でもこの短歌にはぴんときましたね。

シンプルにきれいな短歌だし。

別れが近いんだろうね。

想いを言葉にすることもままならない。

ただ口から発せられるのは溜息だけ。

でも言葉にするより溜息の方が多くのことを喋っていませんか。

千の言葉で喋るより、溜息の方が気持ちが伝わるでしょう。

私たちはもう終わりなんだって。

言葉にすることもできない気持ち。

恋愛が盛り上がっていた頃は、笑いながら次から次へと言葉があふれだしていたのに。

恋愛というのは、たのしいものだから。

たのしくなくなったら終わりなのです。