俺は決して過ちを犯さなかった聖人君子ではない。
でもその罰としては、あまりにも重すぎませんか。
目には目を、歯には歯をじゃないんですか?
何が本当に正しいのかなんて、いつだってあとになって解るものじゃないですか。
なんにも知らずに生まれて、過ちを犯しながら少しずつ人間として成熟していくのではないのですか。
辛い。
俺の全財産をあげるから、俺の苦しみをすべて引き受けてほしい。
俺の今の苦しみがなくなって初めて、人間としてのスタート地点に立てるレベル。
今のところ人間ともいえないレベルです。
レベルがマイナスになっています。
通常では考えられないことです。
けれどこれが現実なのです。
リアリティがありすぎる。
あまりにも現実的。
記憶喪失になりたい。
肉体は治らないから記憶だけでもせめて。
憶えていたい記憶なんてないの。