ふっと本棚を見ると、17巻が無い。17巻だけが無い。
こんな狭い部屋だし、物を仕舞うスペースも無い。
普通に考えて、無くなる訳が無い。
17という数字は、私にとって特別だ。嫌な意味で。
17歳、一番思い出したくない最悪の時。
マンガの17巻は買い戻せても、17歳という時には二度と戻れない。
今の経験値を引き継いだまま、もし戻れたら。
今度は好き放題にやるだろう。他人を傷つけようが何だろうが、全て自分の思い通りに。
でも、戻りたくない。
親父が死ぬところ何て、二度と見たくない。
大切な仲間を、また失いたくない。
別に、いいんだ。
生きていくってことは、そういうことなんだ。
一度狂った歯車は、もう二度と元には戻れない。