人生の幕が少しずつ下りてくる

鳥取

「今じゃなくてもいいよ」は状況が最悪だった。

二人きりじゃなかったし。

突発的に始まって突発的に終わった。

俺の頭がまっ白になっている間に逃げられた。

これってべつに、次の日に連絡すれば済んだ話なのにね。

なんで俺、連絡しなかったんだろ。

ただ、なんとなく、ぼんやりと、上手くいくはずという予感だけがあった。

ボールは投げたから、返すのは相手だろうとでも思っていたのかな。

いやこれは俺の思い込みではなく、両思いだったんですよ。

遥か昔の話ですが。

だって振るなら「ごめんなさい」だし。

「今じゃなくてもいいですか」って今は気まずいから返事をしたくないってことでしょ。

翌日の俺の行動が明暗を分けた。

お互いの気持ちが昂ぶっているうちに、決着をつけるべきだった。

ほんと愚かで救いようがない。

禍根の女が余計なことを言わなければ良かったのに。

あのバカは最後までバカだった。

俺は最初から最後まで人に恵まれなかった。

一度だけでも彼女がほしかった。

彼女0人、友だち0人って生き地獄でしょ。

幸せになるには、俺は年を取り過ぎた。

俺の青春は二度と返ってこない。

俺の定義では35歳からオッサン。

今年の9月27日までは「若者」のつもりで生活します。

35でオッサン。

アラフォー。

もう40歳がみえてくる。

40歳、人生の折り返し地点。

YouTubeの50代の精神障害者チャンネルをみて、20年後は俺もああなるのかと、ぼんやりと考えている。

人生の幕が少しずつ下りてくる。

後悔しかない。

こんな人生で良かった訳がない。

10年も前の恋にしがみつくのは。

それからの10年が空白だったから。

語るべきことなど何もない。

俺はいつから全てを諦めたんだろう。

いったい、いつから……。