気がついたら村上春樹の話をしていた

ドラマを見ようと思ったけど、うるさすぎてダメだ。

アニメより遥かにうるさい。

情報量が多すぎる。

情報量が一番少なくて、一番静かなものは何か?

小説である。

最低限の情報だけが載っており、音はしない。

彼は驚くほど無口なのだ。

今、村上春樹の短編で一番好きな、シドニーのグリーン・ストリートをちまちま読んでいるから一向に読み終わらない。

小学生でも読めるような短編だ。

それでいて、村上春樹の世界観が集約されている。

まずは四の五の言わずにこの短編を読んだ方がいいだろう。

なんておもしろい小説なんだ!あるいは。

なんてつまらない小説なんだ!の二択しかない。

うーん、ふつうですねはない

基本的にはない。

ないと思う……うん。

羊男なる者が、私立探偵事務所を訪ねてきて、羊博士に奪われた片耳を取り返してきてほしいと頼まれる。

なお、電話帳には、ひのページに羊男も羊博士も載っている。

まったくなんて世の中だ。

これが、村上春樹の世界観です。

意味が解らないからいいんです。

ミステリーを二度以上読みますか?

永遠に解けないミステリーの方がたのしめるでしょ。

訳が解らないんだよ。

ずっと、ずっと、訳が解らない。

だから、訳が解るノルウェイの森はつまらない。

ノルウェイの森は最後から二番目に読めばいい。

国境の南、太陽の西が一番つまらないから、一番最後でいい。

羊男だの、かえるくんだの、リトル・ピープルだのそういう訳の解らない奴が訳の解らないことをやっているから、おもしろいのだ。

1Q84でふかえりが「リトル・ピープルは本当にいる」と言った時の俺の高揚感は異常。

いつもの奴がキター。

わくわく。

小説はおもしろいけど、読むのが疲れる。

アニメは勝手に流れてくれるから一番楽だ。

ずっと受動的でいられる。

小説は文章を集中して読んで、自分でページをめくらないといけないから。

アニメは流し見ができるけど、小説はそれができない。

絶対に集中することが求められる。

まずは、はじめての文学でリハビリ。