風のささやき

俺は矛盾したことばかりを言っている。

お前、昨日言っていたことと違うじゃないかってことが多々ある。

つまり、こう生きたいと、ああ生きたいが、ごちゃ混ぜなんですよ。

それこそ、オセロの石のように。

フィクションには散々一貫性を求めるくせに。

俺自身が一貫性のある人間ではない。

思っていることはどんどん変わる。

その日に感じていることは昨日とは違うから。

昨日吹いていた風と、今日吹いている風は違うもの。

一貫性なんてなくて当然なんだ。

今日の風がわたしにささやくのは昨日とは違うお話。